就業規則の服務規律例!企業の実情に合わせた規定の作り方

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はじめに

就業規則は、会社の労働条件や服務規律を定めた重要な内部ルールです。中でも服務規律は、従業員の行動基準を明確にし、職場の秩序を維持する上で欠かせない存在です。しかし、服務規律の内容は会社によって異なるため、自社の実情に合った規定を作ることが求められます。本記事では、服務規律の意義や目的から、主な内容、作成手順、規定例まで、実践的な情報をお伝えします。服務規律の適切な設定と運用を通じて、円滑な職場運営と従業員の士気向上を目指す上での一助となれば幸いです。

服務規律の意義と目的

服務規律とは

服務規律とは、従業員が職務を遂行する上で遵守すべき行動基準を定めたものです。勤務時間や休日、出退勤、服装、物品の管理、秘密保持など、職場における様々な場面での従業員の行動について、ルールを設けます。服務規律は、就業規則の一部として位置付けられ、労働基準法第89条で規定される必要記載事項の一つとされています。

服務規律の必要性

服務規律を定めることには、いくつかの重要な意義があります。第一に、従業員の行動基準を明確にすることで、職場の秩序を維持し、業務の円滑な遂行を促すことができます。第二に、服務規律によって従業員の義務や禁止事項を明示することで、トラブルの未然防止につながります。第三に、服務規律を通じて会社の方針や価値観を従業員に伝え、組織の一体感を高めることができます。会社の実情に合った服務規律を設けることは、適切な労務管理の基盤となるのです。

服務規律の主な内容

勤務時間・休憩・休日

服務規律では、勤務時間や休憩、休日に関するルールを定めます。始業時刻や終業時刻、休憩時間の取得方法、所定休日などを明記し、従業員の勤務体制を明確にします。変形労働時間制やフレックスタイム制を採用している場合は、その運用ルールについても規定します。

出退勤・遅刻・欠勤

出退勤や遅刻、欠勤に関するルールも服務規律の重要な要素です。出退勤の手続き方法や、遅刻・欠勤の連絡方法、承認手続きなどを定めます。無断欠勤や遅刻の扱いについても明記し、従業員の勤怠管理を適切に行えるようにします。

服装・身だしなみ

服装や身だしなみに関する規定も、服務規律の一部として設けられることがあります。職場の雰囲気や業務の性質に応じて、望ましい服装やヘアスタイル、アクセサリーの着用ルールなどを定めます。お客様との接点が多い職種では、特に服装・身だしなみのルールが重要になります。

物品の管理・利用

会社の物品や設備の管理・利用に関するルールも、服務規律で定める必要があります。パソコンや携帯電話、文房具など、業務で使用する物品の適切な管理方法や、私的利用の可否などを明記します。会社の資産を大切に扱うよう、従業員の意識を高めることが目的です。

秘密保持・情報管理

企業秘密や個人情報の保護は、現代の職場における重要な課題です。服務規律では、秘密保持や情報管理に関するルールを定め、従業員の守秘義務を明確にします。情報の取扱いや保管方法、外部への漏洩防止措置などを具体的に規定し、トラブルを未然に防ぐ必要があります。

ハラスメントの禁止

ハラスメントのない職場環境を維持することは、企業の重要な責務です。服務規律では、セクシュアルハラスメントやパワーハラスメント、マタニティハラスメントなどの禁止事項を明記し、従業員の人権を守ります。ハラスメント行為の定義や、行為者への処分方針なども併せて規定します。

安全衛生の確保

従業員の安全と健康を確保することは、企業の基本的な義務です。服務規律では、安全衛生に関する従業員の遵守事項を定めます。安全装置の使用や、危険物の取扱い方法、健康診断の受診義務など、職場の安全衛生を維持するための具体的なルールを盛り込みます。

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服務規律の作成手順

自社の実情の把握

服務規律を作成する際は、まず自社の実情を正確に把握することが大切です。業種や職種、組織規模、従業員の属性など、自社の特性を考慮しながら、必要な規律項目を洗い出します。他社の規定をそのまま流用するのではなく、自社に合ったオリジナルの内容を検討することが求められます。

規律項目の選定

自社の実情を踏まえて、服務規律に盛り込むべき項目を選定します。前述した勤務時間や出退勤、服装、秘密保持など、一般的な項目に加えて、自社特有の事情に応じた項目も検討します。規律項目は、網羅的であると同時に、実効性のあるものを厳選することが大切です。

規定内容の検討

選定した規律項目について、具体的な規定内容を検討します。規定の表現は、従業員にとってわかりやすく、曖昧さを排除したものである必要があります。法律や判例の動向を踏まえながら、適切な内容を盛り込みます。規定内容は、従業員の納得感を得られるよう、合理的なものでなければなりません。

従業員との協議

服務規律の作成にあたっては、従業員との協議が欠かせません。労働者の過半数で組織する労働組合、または労働者の過半数を代表する者との間で、規定内容について十分に話し合います。従業員の意見を聴取し、必要に応じて修正を加えることで、規定の実効性を高めることができます。

服務規律の規定例

勤務時間・休憩・休日の規定例

勤務時間・休憩・休日に関する規定例としては、次のようなものが考えられます。

  • 始業時刻は9時00分、終業時刻は17時30分とする。
  • 休憩時間は12時00分から13時00分までの60分とする。
  • 所定休日は、土曜日、日曜日、国民の祝日とする。

出退勤・遅刻・欠勤の規定例

出退勤・遅刻・欠勤に関する規定例としては、次のようなものがあります。

  • 出退勤時には、タイムカードによる打刻を行うこと。
  • 遅刻・欠勤の際は、事前に上司に連絡し、承認を得ること。
  • 無断欠勤は、懲戒処分の対象とする。

服装・身だしなみの規定例

服装・身だしなみに関する規定例は、次のようなものが考えられます。

  • 職場では、清潔感のある服装を心がけること。
  • 派手な柄物や露出の多い服装は避けること。
  • 髪型は清潔に保ち、極端な染色やパーマは控えること。

物品の管理・利用の規定例

物品の管理・利用に関する規定例としては、次のようなものがあります。

  • 会社の物品や設備は、業務上の必要な範囲で使用し、私的利用は控えること。
  • パソコンや携帯電話などの情報機器は、適切にパスワード管理を行うこと。
  • 文房具などの消耗品は、無駄遣いせず、節約に努めること。

秘密保持・情報管理の規定例

秘密保持・情報管理に関する規定例は、次のようなものが考えられます。

  • 業務上知り得た情報は、社外に漏らさないこと。
  • 個人情報の取扱いには十分注意し、目的外利用は行わないこと。
  • 情報の持ち出しや外部送信には、上司の承認を得ること。

ハラスメント禁止の規定例

ハラスメント禁止に関する規定例としては、次のようなものがあります。

  • セクシュアルハラスメントやパワーハラスメントなどのハラスメント行為は、厳に禁止する。
  • ハラスメント行為を行った者は、懲戒処分の対象とする。
  • ハラスメントを受けた者は、速やかに相談窓口に報告すること。

安全衛生確保の規定例

安全衛生確保に関する規定例は、次のようなものが考えられます。

  • 安全装置や保護具は、必ず使用すること。
  • 危険物の取扱いは、所定の手順に従い、慎重に行うこと。
  • 健康診断は、必ず受診すること。

服務規律の運用における注意点

規定内容の周知徹底

服務規律を適切に運用するためには、規定内容を従業員に周知徹底することが大切です。規定の内容や趣旨を丁寧に説明し、従業員の理解を得る必要があります。入社時研修や定期的な説明会の実施、社内イントラネットへの掲載など、周知の機会を設けることが求められます。

規定の適用の公平性

服務規律の運用にあたっては、規定の適用の公平性を確保することが重要です。恣意的な適用や、特定の従業員への不当な扱いは避けなければなりません。規定に基づいて一貫した対応を行い、従業員の納得感を得ることが求められます。公平性を欠いた運用は、従業員の士気低下や不信感を招く恐れがあります。

規定違反への対応

服務規律違反が発生した場合は、適切な対応を取ることが大切です。事実関係を十分に調査し、規定に基づいて公正な処分を行います。処分にあたっては、従業員の言い分にも耳を傾け、適正手続きを踏まえることが求められます。規定違反を放置すると、職場秩序の乱れにつながりかねません。

規定の定期的な見直し

服務規律は、社会情勢の変化や会社の実情に合わせて、定期的に見直しを行うことが大切です。法改正への対応はもちろん、従業員からの意見や運用上の課題を踏まえて、必要な修正を加えます。規定の形骸化を防ぎ、実効性を維持するためにも、定期的な見直しが欠かせません。

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服務規律の規定とトラブル防止

規定によるトラブル防止

服務規律を適切に設定し、運用することは、職場のトラブル防止につながります。従業員の行動基準を明確にし、禁止事項を周知することで、ハラスメントや情報漏洩などの問題の発生を未然に防ぐことができます。服務規律は、トラブルのリスクを減らし、円滑な職場運営を実現するための重要なツールといえます。

トラブル発生時の対応

服務規律に関連するトラブルが発生した場合は、速やかに適切な対応を取ることが大切です。事実関係を確認し、規定に基づいて必要な措置を講じます。トラブルの再発防止に向けて、原因の究明や再発防止策の検討も欠かせません。トラブル対応を通じて、服務規律の実効性を高めていくことが求められます。

予防的な取り組みの重要性

トラブルへの事後的な対応だけでなく、予防的な取り組みを行うことも重要です。服務規律の内容や趣旨について、継続的な教育や啓発を行い、従業員の意識を高めます。コンプライアンス研修やハラスメント防止研修などを定期的に実施し、トラブルのリスクを減らしていくことが大切です。

服務規律規定作成のポイント

自社に合った規定の作成

服務規律の作成にあたっては、自社の実情に合った内容とすることが何よりも重要です。他社の規定を無批判にコピーするのではなく、自社の業種や職種、組織風土などを踏まえて、オリジナルの規定を作成します。自社に合った規定であれば、従業員の納得感も得やすく、実効性も高まります。

従業員の理解と協力の重要性

服務規律の実効性を高めるためには、従業員の理解と協力が欠かせません。規定の作成段階から従業員の意見を取り入れ、規定の趣旨や必要性について丁寧に説明することが大切です。従業員が規定の意義を理解し、自発的に遵守する意識を持つことで、服務規律の実効性は格段に高まります。

専門家の活用

服務規律の作成や運用には、労働法規や人事労務管理に関する専門知識が必要です。社内の人事担当者だけで対応するのが難しい場合は、社会保険労務士など外部の専門家に相談することをおすすめします。専門家の知見を活かすことで、適切な規定の作成と運用につなげることができます。

まとめ

本記事では、就業規則の服務規律について、その意義や目的、主な内容、作成手順、規定例などを詳しく解説しました。服務規律は、職場の秩序維持とトラブル防止に重要な役割を果たします。自社の実情に合った服務規律を作成し、適切に運用することが求められます。服務規律の作成にあたっては、従業員との協議を重ね、規定内容の周知徹底を図ることが大切です。運用面では、規定の適用の公平性や、違反への適切な対応、定期的な見直しなどが求められます。服務規律の適切な設定と運用を通じて、円滑な職場運営と従業員の士気向上を実現していきましょう。


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